フィンランドの航空会社 フィンエアーを知る
「こんどフィンエアーを利用することになった」
「フィンエアーの利用を検討している」
「航空券の検索をしていたら、フィンエアーというのが出てきた」
「フィンエアーの評判が気になる」
画像出典:Finnair.com
こうした声に対し、フィンエアー運航便をたびたび利用してきた私が知っていることや調べたことを書いておりますので、少しでも皆様の航空旅行の組み立てのヒントや後押しとなってくれれば幸いです。
フィンエアーの基本情報その1
- フィンエアーは、北ヨーロッパ・フィンランドの国営航空会社です。フィンランドといえばオーロラ、サンタクロース、ムーミン、マリメッコ、イッタラで有名な美しい国です。
- フィンエアーは約30ヵ国・55都市に毎日250便以上を運航している、とても大きな航空会社です。その歴史も古く、2023年で創立100周年を迎えています。日本ではもともと「フィンランド航空」という名前で呼ばれていました。航空業界ではリーダー格のひとつとして広く認知されていて、JALが加盟する航空連合「ワンワールド」の創立メンバーでもあります。
- フィンエアーは、フィンランドの首都ヘルシンキを「アジアからヨーロッパへの理想的なゲートウェイ」としていて、現在も日本の搭乗客をかなり重要視してくれています。
- 日本航空(JAL)のマイレージバンク会員は、フィンエアー運航便に搭乗するときに会員番号を伝えるだけで、JALのマイルとFLY ONポイントを積算してもらえます。
フィンエアーは、日本の搭乗客を重要視してくれています。とくにJALマイレージバンク会員とは相性が良いです。
JALマイレージバンク会員番号を登録して搭乗した場合、フィンエアープラス会員としてポイントやAVIOSを積算することはできません。いわゆる両社のマイルの二重取りはできないようになっています。また、予約した座席クラスによっては積算率が0%になっている場合もあります。事前にJAL公式ウェブサイトとフィンエアーの公式ウェブサイトで確認しておくことを強くオススメします。
フィンエアーの基本情報その2
- フィンエアーは60年以上にわたり、深刻な大事故を1度も起こしていない安全な航空会社です。コロナ禍の発生やウクライナ情勢の悪化がつづき、とくにアジアーヨーロッパ間の路線でシベリア上空ルートを使えなくなったことで経営環境が厳しい状況は続いていますが、フィンランド政府の建設的な関与もあり、しっかりと持ちこたえています。
- 本拠地であるヘルシンキ・ヴァンター空港をはじめ、フィンランドは冬に氷点下の寒さとなり、雪や氷に覆われます。そのためフィンエアーの職員や技術者は、滑走路や機体、エンジン等を雪や寒さから保護し、その機能を確保する方法をよく知っています。
- 日本発着のフィンエアー運航便は基本的に快適であり、ヨーロッパ旅行に利用する航空便として利用を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
フィンエアーは、安全で信頼できる航空会社です。
フィンエアーの機材・座席クラス
- フィンエアーが日本路線に投入している機材は、すべて最新鋭のエアバスA350になります。アジア路線に力を入れていることは、このことからもわかります。
- 提供されている座席クラスは【ビジネスクラス】、【プレミアムエコノミークラス】【エコノミークラス】の3クラスです。
- ビジネスクラスは、本来あるべき座席シートを撤去してカウチソファのようなシートにしてあるので、半個室のような、なんとも言えない最高の居心地と快適さを体験できます。機内モニターも非常に大きく、機能も充実しています。もちろん画面表示を日本語に設定することができます。
- プレミアムエコノミークラスは、背もたれがエコノミークラスよりほんの気持ち程度ふかくリクライニングするのと、足元の空間の広さが確保されているので、エコノミークラスよりも快適な体験ができます。この座席クラスのオススメポイントは「24席だけの専用キャビン」となっていることです。また、進行方向右側、いちばん前の2席はほかの席よりもわずかに前にせり出して設置されているので、「やっぱり隅っこがいちばん落ち着くわ」という人がここを予約できれば、「当たり」の座席となります。(この座席は、ギャレーにもすぐ行ける距離にあります。)機内モニターも大きく、機能も充実しています。もちろん画面表示を日本語に設定することができます。
- エコノミークラスは、他の航空会社と同様の一般的なものになります。機内モニターは日本語設定可能です。
フィンエアーは、ビジネスクラスかプレミアムエコノミークラスがとてもオススメです。
フィンエアーの機内食・ドリンク
- フィンエアーの日本路線では、機内食が提供されます。メニューには日本語表記があるので安心です。
- ビジネスクラスの機内食はかなり質が高いです。ただし、他の航空会社ではこだわっているような「優雅な食事を実感させるような演出や配慮」は、フィンエアーでは控えめとなっています。北欧ならではの機能美や、不要なところをそぎ落としてシンプルにまとめるスタイルが、ここに感じられます。しかしよく見ると、グラスはイッタラ製、カトラリーを包むクロス等はマリメッコ製だったりします。さりげないところでしっかりとオシャレです。
- プレミアムエコノミークラスの食事とエコノミークラスの食事も、それなりに質が高いです。もちろん味付けについては人それぞれの好みになりますので、自分にとっておいしいかどうか、口にあうかどうかは実際に搭乗して確かめてください。
- ひとつ声を大にして言えることがあります。それは機内で提供されるブルーベリージュースは非常においしいということです。ほどよい甘さと酸味、飲み終わるとなんとなくもう1杯、となってしまう中毒性があります。飲みすぎには注意してください。フィンエアー運航便に初めて乗った人は衝撃を受けるほどの感動を覚え、そして次にまた乗ったときに「コレだよ、コレ!」という高揚感に包まれるでしょう。大げさな言い方ですが、このブルーベリージュースは私たちとフィンエアーでの体験をつねに結びつけてくれる「絆の確認装置」です。
- かつてフィンエアーでは「ガーリックトースト」が提供されていました。以前、客室乗務員の方に「ぜひ復活させてほしい」とお話しましたら、「じつは私たちもあのガーリックトーストのファンなんです。上層部にしっかり意見を伝えてまいります。」という返答でした。もしあなたがフィンエアー運航便に搭乗したとき、提供されるパンの中にガーリックトーストがあったときは、迷わず手に取って食べてみてください。
フィンエアー機内で提供される「ブルーベリージュース」は、最高です。
フィンエアー運航便で体験できる特別なこと
- フィンエアーの日本路線は2024年現在、残念ながらヨーロッパへの最短ルートを飛べていません。
- ウクライナ情勢が悪化する前、ロシア領空を通過し、シベリア上空を飛ぶルートをフル活用できていたフィンエアー。成田~ヘルシンキを最速9時間台で結んでいたあの頃に比べると、いまは仕方なく遠回りをして、ロシア領空を避けるルートを飛んでいます。その結果、フィンエアー日本路線の最大の強みであった「どの航空会社よりも最速・最短でヨーロッパに行ける」というところが消えてしまいました。
- 2024年現在、フィンエアーの日本発ヘルシンキ行きは、北極点上空を通過するルートを飛んでいて、ヘルシンキ発日本行きの便は南回り(中央アジア上空経由)のルートを飛んでいます。したがって9時間どころか平均で13時間かかります。エコノミークラスを利用するとなると、なかなか厳しいかもしれません。
- しかし、この遠回りがあるからこそ【日本発 北極経由 ヨーロッパ行き】の便でしか体験できないことがあります。それは「機内からオーロラが見えるチャンスがある」ということです。実際に私は2022年の年末の羽田ーヘルシンキのフィンエアー運航便でオーロラを目撃しました。このとき、客室乗務員の方がわざわざ席まで知らせに来てくれたのです。人生でオーロラを生で見る機会は、多くの日本人にとってはほとんどないことです、フィンエアー運航便の日本発路線を利用すると、あの驚異の自然現象をこの目でみることができる場合があるのです。(オーロラがハッキリと見えるには条件があるそうです。フィンエアー日本路線の便に搭乗すれば必ず見ることができる、というわけではありません。)
- オーロラを見つめながら、イッタラのグラスに注がれたブルーベリージュースを飲んでみてください。あなたはもうフィンエアーのファンになることが確定です!
- さらに、日本発ヘルシンキ行きのフィンエアー運航便では、北極点通過の前後で客室乗務員から直接「北極点通過証明書」がもらえます。これは間違いなく旅の記念になるものです。
フィンエアー日本路線の運行ルートは、気象条件や国際情勢等によりその都度変更する場合があります。
フィンエアーの日本路線、ヘルシンキ行きでは機内からオーロラを見ることができます。
フィンエアーの航空券
- フィンエアーが運航し、販売する日本路線は、だいたい以下の価格で推移しているようです。なお、席数限定のバーゲン運賃は考慮していません。
- 2024年3月出発 羽田ーヘルシンキ フィンエアー運航便の場合(税や手数料すべて込み)
- ビジネスクラス往復:約90万円~
- プレミアムエコノミークラス往復:約40万円から
- エコノミークラス往復:約27万円から
- 私の基準では「ちょっと高いな」とは思いますが、機内でのちょうどいい接遇、オーロラ鑑賞券と北極点通過証明書と、ブルーベリージュースをはじめとしたドリンク飲み放題がついていることを考えれば、アリかもしれません。
ビジネスクラスは「ライト」と呼ばれる最安の運賃タイプを選択すると、受託手荷物は有料となり、ラウンジにも入れませんのでご注意を。
フィンエアー日本路線のエコノミークラス航空券価格総額は、最低でも20万円以上から。ビジネスクラスだと90万円以上することが多い。
フィンエアー ビジネスクラス往復20万円台でヨーロッパに行く裏技
フィンエアーの日本路線は一見すると価格がやや高めで、ヨーロッパへのビジネスクラス往復は手が出せない・・・という方も多いかもしれません。
しかし、日本ーヨーロッパ間のフィンエアーのビジネスクラス往復総額を20万円台で実現する方法があります。
その方法は合法的かつ航空会社の規定の範囲内です。が、安易に不特定多数の方に広めてしまうと、すぐにルール改正が引き起こされ、航空旅行の組み立ての楽しさにおける選択肢の1つが一気に失われるでしょう。どうかこの趣旨をご理解ください。
ですので、真剣に知りたい、まじめにフェアに航空旅行の組み立ての楽しさを実現したい、上級会員資格への近道をとにかく知りたいという方にだけ、特別にその方法を伝授します。こちらからどうぞ。(公開終了となった場合はご容赦ください。)
フィンエアーの上級会員制度
フィンエアーは自社専用の会員プログラムを整備しています。それが「フィンエアー・プラス」です。2024年中にはブリティッシュ・エアウェイズやカタール航空が採用する「AVIOS」というポイント通貨を採用し、プログラムの刷新を実行予定です。
- フィンエアー・プラスで上級会員になるには、結論から申し上げますとそれなりのお金が必要です。フィンエアーは2023年までは「フィンエアー運航便でどれだけ飛んだか」で上級会員への道が決まりましたが、2024年からは「フィンエアー運航便の航空券を買う時、お金をいくら使ったか」で上級会員になれるかどうかが決まる制度を採用しているからです。
- したがって、「フィンエアーの航空券は安い価格であればそれでいいし、そもそも1年にそう何度も搭乗しない」という人は必然的に上級会員にはなれないようになっています。
- 逆に、「フィンエアーの航空券は高くてもいい。その分、日程変更やキャンセルのときに自由がきくのだから。」とか、「1年に数回だけだが、羽田ーヨーロッパをビジネスクラスで乗る」といった人ほど早く上級会員になれるようになっています。
- フィンエアー日本路線の航空券は、上で述べたように割高な部類になります。価格の高さは明らかなデメリットなのですが、上級会員制度の趣旨を意識してみると「上級会員になるためにわざわざ何度も搭乗を繰り返さなくてもいい」という条件を提示されていることがわかり、これはこれでメリットになるという人もいるのではないでしょうか。
- もしフィンエアープラスに加入するなら、ぜひとも最上級会員の「プラチナ」もしくは「プラチナ・ルモ」を目指してみてください。これは【ワンワールド・エメラルド】に相当するので、フィンエアーではなくJALを利用する、というときににJALのファーストクラスラウンジを使わせてもらえます。いちど「プラチナ」「プラチナ・ルモ」になると最長2年間は有効になります。
PRフィンエアーと同じワンワールド加盟メンバー マレーシア航空が激安ビジネスクラスを販売中です